ちっちゃなかみさん

とう子の小説紹介 ちっちゃなかみさん 時代小説

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ちっちゃなかみさん

平岩弓枝 著
角川文庫

【ちっちゃなかみさん】
向島で三代続いた料理屋『笹屋』の一人娘、お京も20歳になった。
この時代、女の20歳といえば、そろそろおくれの部類に入るだろう。
心配する両親をよそに、お京は「ぼんくらな亭主なら足手まといだから、もらいたくない。夫婦になるのなら、私以上の男でないと、私は嫁に行かない」と宣言する。
お京が、婿としてあてがあると語った男は、笹屋が豆腐を仕入れているかつぎ豆腐売りの信吉だった。だが、信吉にはかみさんがあるらしいという。
娘の一生のこととお京の両親は夫婦で信吉の長屋を訪れると、地味な木綿の着物に赤い帯、前掛けで手をふきふき、障子を開けて出てきたのは・・・。

【かみなり】
長崎奉行所南蛮御係通辞なんばんおかかりつうじ役、来助は気に入らないことがあると大声で怒鳴り散らすため、陰で「雷助」と呼ばれていた。
ある日、長男の許嫁いいなずけであるこずえがポルトガル船の水夫(奴隷)に乱暴された。長男は来助の力で内々に処理してくれるよう頼むが、来助にそのようなことができる訳も、する気もなく、水夫は罪状を明らかにして罰せられた。そして、身を持ち崩した梢は自ら南蛮船の水夫たちに身を任せるようになった。
来助と長男は反目し、長男、次男、長女はそろって来助の元を去り、その後、妻も子どもを追って出て行った。
一人になった来助に混血の赤ん坊が託される。
身投げした梢が産んだ赤ん坊だった。
赤ん坊は大きくなり、来助を「じい」と呼びなついた。孫と祖父のように暮らす二人だったが、幕府から南蛮人と混血男女を国外に追放するよう厳命がくだる。
来助の決断とは?

昭和35~46年の作品。
私が生まれる前の作品ということに驚いた。
始めて読んだのは10歳頃だったと思うが今読み返してみても面白い。
現代いまでも「おくれ」なんて言葉、使っていますかねえ。

2024.10.16

目次
・ちっちゃなかみさん
・邪魔っけ
・お比佐とよめさん
・親なし子なし
・なんでも八文
・かみなり
・猩々乱
・遺り櫛
・赤絵獅子
・女ぶり