今日も『ちいさな暮らし研究所』に立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
小さな発見や、やさしい時間をお届けできたらうれしいです。
絵本情報
タイトル:くうきにんげん
作:綾辻行人
絵:牧野千穂
出版社:岩崎書店

主人公は、白うさぎの女の子。
見た目はかわいらしい小学生ですが、彼女の周りには不穏なものがただよっています。
空には、平和の象徴のはずの鳩が舞い、
幸せを運ぶはずの黄色い風船が浮かび…
それでもなぜか、空気はひんやりと冷たく感じます。
物語はこう始まります。
くうきにんげんにおそわれたら もうだれにもわかってもらえない
くうきにんげん / 綾辻行人 著 ・ 牧野千穂 絵 / 岩崎書店
くうきにんげんにさわられたら くうきになってきえてしまう
その言葉は、何度も何度も繰り返され、
ページをめくるごとに読者の心を締めつけていきます。
くうきにんげん / 綾辻行人 著 ・ 牧野千穂 絵 / 岩崎書店くうきにんげんにおそわれたら もうだれにもわかってもらえない
くうきにんげんにさわられたら くうきになってきえてしまう
おしまいだよ おしまいだよ
きえてしうのさ きえてしうのさ
もうすぐだよ もうすぐだよ
にげられないよ にげられないよ
追い詰められた白うさぎの女の子は、
窓辺に近づき、そっとカーテンをめくります。
でも、外から見たその窓には…
カーテンが、風に揺れているだけでした。
何が現実で、何が「くうき」なのか。
誰かに気づいてほしいのに、誰にも気づいてもらえない怖さ。
この絵本は、単なるホラーではなく、見えない孤独や存在の希薄さを描いた物語でもあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またふらりと、遊びにきていただけたらうれしいです。
2025.7.14
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