弥勒の月 (弥勒の月シリーズ第1弾)

とう子の小説紹介。弥勒の月 時代小説

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弥勒の月

あさのあつこ著
光文社

ある日、小間物問屋・遠野屋の若おかみ・おりんが、川で溺死体となって発見される。
信次郎は、おりんの夫である清之助の態度に違和感を覚え、単なる飛び込み自殺ではないと直感。ベテランの岡っ引・伊佐治と共に、事件の真相を追いかけ始める。
遠野屋の主人、清之助は穏やかな笑顔の裏に深い闇を隠していた。若き妻おりんを突然失い、その死の真相を突き止めようと奔走する同心・木暮信次郎と対峙する。清之助は、かつて武士であった過去を持ち、その過去が現在の彼を縛り付けている。華やかな江戸の町で得た穏やかな暮らしの中にあって、彼は常に過去の影に追われている。おりんの死は、そんな彼の心に更なる傷跡を残す。
信次郎の執拗な捜査は、清之助の過去を掘り起こしていく。華やかな町人としての顔とは裏腹に、彼は数々の苦難を乗り越えてきた。その苦難は、彼を冷徹で打算的な男へと変えていったのかもしれない。
おりんの死は、単なる事故なのか、それとも何者かの陰謀なのか。清之助は、自身の過去と向き合いながら、事件の真相を解き明かそうとする。
しかし、事件の核心に迫るにつれて、彼はより深い闇へと引き込まれていく。信次郎との対立、そして過去の亡霊との戦い。清之助は、果たして事件の真相を明らかにし、そして自身の心の安寧を取り戻すことができるのか。

遠野屋清之助:小間物問屋主人。亡くなった若おかみ・おりんの夫。
おりん:遠野屋の若おかみ。冒頭で亡くなり、その死の真相が謎となっている。
木暮信次郎:北町奉行所の若き定廻り同心。
伊佐治:ベテラン岡っ引。豊富な経験と人脈を持ち、事件解決に不可欠な存在。

2024.12.18