夫よ、死んでくれないか
丸山正樹 著
双葉社
ご覧いただき、ありがとうございます。
とう子の小説紹介です。
まず始めに申しておきますが、私はこんなことを考えていませんので、悪しからず。
丸山正樹氏の作品は、デフ・ヴォイスシリーズが好きで、今回たまたまこのタイトルを見つけて手に取ってしまいました。
昔は、「亭主元気で留守がいい」なんてフレーズが流行った時代もありましたが、夫のことを「死んでくれないかしら」なんて愚痴る妻の話はドラマなどでも目にします。
大学時代からの友達が集まれば、そんな話になるのもありそうなことです。
30代半ばの女3人、久しぶりの集まりに話が弾む。
・璃子:フリーランスのライター、離婚歴あり、子どもなし
・友里香:主婦、11歳上の夫(哲也)、子ども1人
・麻矢:会社員、2歳上の夫(光博)、子どもなし
3人は友里香の夫のことを「ガーベ」と隠語で呼び、友里香は「死んでくれないかしら」と愚痴る。ガーベとは、garbageの略で、生ごみ・残飯・くず、などの意味がある。
ある日、友里香が言い争いの末、哲也を突き飛ばす。頭を打った哲也を前に友里香は友人2人に助けを求める。友里香の求めに応じて3人で哲也を殺そうとするが、企みは失敗する。哲也の意識が戻るが、哲也は10年分の記憶を失っていた。記憶を無くした哲也は優しかったが哲也が記憶を取り戻した後のことを考えゾッとする友里香。
突然、光博が失踪した。同僚や友人、行きつけの店など何も知らなかったことに愕然とする麻矢だが、失踪の直前、光博には浮気の気配があった。その後、光博との思い出の店に顔を出した麻矢だが、失踪後に光博が女性と来店していたことを知り、ショックを受ける。麻矢の中には思い当たる女性が浮かんでいた。
誰と誰がつながっていて、誰が嘘をついているのか。
ガーベが記憶を取り戻した。ガーベの報復を前に3人はどうするのか。
女の友情は続きはどうなるのか。
夫を殺害して、又は殺害しようとして妻が逮捕される(夫と妻が逆のパターンも)というニュースが珍しくない。中には50年連れ添った末に・・・なんていう事件もある。
近くて分からぬ伴侶の気持ち。
2024.10.6