【第3回】私服の制服化・仕事服編

すっきりしたい

今日も『ちいさな暮らし研究所』に立ち寄ってくださって、ありがとうございます。
小さな発見や、やさしい時間をお届けできたらうれしいです。

制服化の工夫が定着して、クローゼットはいつもスッキリ。
服の管理がぐんと楽になりました。
毎朝「そこそこ以上に似合う私」でいられる安心感も得て、ようやく見えてきた「制服化のその先」について、お話しします。

制服化して気づいた、仕事服への思い

私服の制服化を始めたとき、最初は「快適に暮らすための仕組み」として取り入れただけでした。
ところが、しばらく続けてみると、予想外の気づきがいくつもありました。
制服化をはじめてみて、「ラクになったこと」もあれば、
「ちょっと困ったな」という場面もありました。
今回は、実際にやってみたからこそ見えてきたことをまとめてみます。

一斉に買い替え時期が来るという課題

セットで一気にそろえたため、当然ながら傷みや劣化も一斉にやってきます。
「そろそろ買い替えようかな」と思ったとき、何をどれだけ買えばいいかが見えやすいのは利点ですが、まとまった出費になることもあり、計画性が必要です。
少しずつ更新していくには、先に「どれを残して、どれを変えるか」の見直しが必要になります。

「ひとつだけ買い足す」が難しい理由

制服化していると、服が「パーツ」ではなく「完成された組み合わせ」になります。
そのため、たとえばシャツだけを新調しようとしても、全体のバランスが崩れそうで不安になることがありました。
全体でデザインや色の系統をそろえているからこそ、1枚だけ浮いてしまわないように注意が必要になります。

制服のような服に込めた、「無でありたい」という思い

事務仕事に加え、窓口で苦情対応に立つこともある私にとって、
「自分のことを覚えられたくない」という気持ちは、いつも心のどこかにありました。
目立たず、印象に残らず、感情を波立たせずにその場をやり過ごす。
そんな場面で「服の個性」は、むしろ邪魔に感じてしまうことに気づきました。

制服のような服を選ぶことは、ある意味、自分を「無」に近づける手段でもあったのかもしれません。
誰かの記憶に残ることよりも、その日を無事に終えることが一番だったあの頃。
制服化は、そんな私の心情にも寄り添ってくれていました。

制服化をやってみて、さらに買い替え後のセットはこちらです。

制服化してみて、自分なりに少しずつ改善も重ねてきました。

ジャケットを着る機会はそう多くないのですが、パンツ+ベストのくたびれ具合に合わせて買い替えのタイミングを揃えやすいように、3点セットは黒と濃紺の2種類に絞りました。
真夏には洗濯頻度が高くなるため、洗濯機で気兼ねなく洗える夏用パンツを2枚追加。

シャツは「色で迷うくらいなら、全部白でいい」と割り切り、白のみに統一しました。
袖の長さも、事務作業中に煩わしさを感じないよう七分袖を基本にしつつ、会議などきちんと見せたい場面用に長袖を1枚だけ残しています。

また、ポロシャツはカーディガンとの色合わせが難しく感じたことや、全体が暗く沈んでしまうこともあって、透けない白を選んで落ち着きました。

こんなふうに、制服化のスタートラインから少しずつ自分仕様に整えていった結果、「迷わないこと」だけでなく「快適で気持ちのいい日常」へとつながっていったように思います。

覚えられたくない日々と、気づけば宿ったささやかな愛着

ただ、それでも。
毎日同じ服を身につけているうちに、ちょっとした変化にも気づくようになりました。
「このシャツ、首元がほんの少しだけくたびれてきたな」とか、
「今日のこの組み合わせ、なんだか落ち着くな」とか。
着続けたいと思える組み合わせを追求することも、楽しく思えるように。

気がつけば、仕組みの1つだったはずの服に、ささやかな愛着が宿っていったように思います。
自分を表現しないと決めた服であっても、やっぱり私らしさがにじみ出るもの。
私服の制服化は、服を選ぶ手間を省くだけでなく、自分の暮らしと心を見つめ直すきっかけになりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またふらりと、遊びにきていただけたらうれしいです。

2025.5.6